時 評
谷川昌幸
ネパール協会HP同時掲載

  2000年 (→Index

001224 一部、ヤラセでした
 拙稿は、一部、話しを面白くするためのヤラセでした。徹底調査の結果をご報告し、深くお詫びします。
●判明したヤラセ・捏造
 1)「うるさ型」「重鎮」「良心」 →論証抜きの単なる思いこみ
 2)ストーリー →「安易だ」の発言に、特にコメントなし
 3)観客35人ほど →42人ほど
 4)劇場を出て5分 →8分くらい
 5)その他、錯誤、誇大表現は少なくないが、煩瑣につき略
●結論
 すぐばれるようなヤラセや、モデル問題を引き起こすような文章は、作品として稚拙。猛省し、以後、謹慎せよ。


001221 面白いかな、「キャラバン」
 長崎からはるばる上京して19日午後、渋谷シネマライズで「キャラバン」を見た。観客は、パラパラ35人ほど。秘境の雰囲気。大いに期待した。
 映像は、素材に完敗、テレビ朝日・大谷ディレクターのネパールものにはるかに及ばない。ストーリーはさらに通俗で、劇場を出て5分もすると、世紀末渋谷文明にかき消されてしまった。渋谷バブルに負けるようなリアリティでは困る。
 1時間後、ネパール協会の「うるさ型」重鎮お二人とネパール料理屋に行き、ビールを飲んだ勢いで、つい「キャラバンはつまらん」と本音を口にしてしまった。協会の良心H氏は「まぁ、なんて不謹慎な!」と驚かれたようだが、そこは大人、怒りを抑え、キャラバンの素晴らしさを諄々と説いてくださった。
 H氏の寛容には深く感謝しているが、キャラバンの素晴らしさはいまいち分からない。そこでネパールではどう評価されているか、ちょっと新聞を開いてみたら、案の定、キャラバンはオスカーに続いて、「第1回・カトマンズ国際山岳映画祭」でも落選していた。大金をかけ、地元住民を動員し、それで何を表現しようとしたのか。よくわからん、というわけだ。この講評は素人にも納得できる。
 芸術作品だから、評価が分かれて当然。この映画をご覧の方、感想をお聞かせください。


001211 銀行口座
 ネパールの銀行に日本人(観光ビザ)が個人で口座を開設できるでしょうか?
 以前、この問題についてナマステボードで質疑があり、その時はダメだということで
したが、急速な経済自由化政策により外国人の銀行口座開設も可能になってはいないでしょうか?
 最近の事情に詳しい方、お教えください。


001211 児童画、HPでどうぞ
 児童画展のお問い合わせ、有り難うございます。権威ある「ネパール協会・会報」に適切な絵があるかどうか分かりませんが、一部HPで公開していますので、ご覧ください。他の絵も順次、HP画廊に展示していきます。掲載承諾は取れます。http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/tanigawa/musmus/photo-0005/pic.htm


001130 新刊2冊
 鬱々、楽しめない日々の憂さ晴らしに、新刊ネパール本2冊を読んだ。
●白井有紀『ネパールで出会った神々―神話の中の町から』丸善ブックス、\2000
 著者は、トリブバン大学国際言語キャンパス・ネワール語学科在学中の女性画家。ラリトプール(パタン)のクマリパティに住み込み、ネワールの日常生活とその中に生きる神々や民話を生き生きと描き出している。2,3ページごとに挟まれた著者自身のスケッチもネワール文化の雰囲気をよく伝えている。好著。

●瀬尾里枝『OLときどきネパール人』智恵の森文庫、\495
 著者は某大手不動産会社に勤務しながら、時々ネパール人に変身する変な女性。
 はじめてのネパール旅行で偶然に知り合ったタクシー運転手がよい人で・・・・という典型的な「ネパールもの」で、著者自身も認めているように「日本人」「若い女性」という二大特権をフルに利用し、日本や他の外国ではおよそ考えられないような痛快な経験を満喫するというお話し。が、著者の人柄か、読後感はさわやかであり、抗欝剤よりよく利く。快著。


001129 Re: ネパール児童画展
 「児童画」にこんな深い哲学的含意があるとは思いもしませんでした。さすがネパー協会は論客ぞろい。
 今回の展覧会の「児童画」は、児童劇や児童労働という場合とおなじく「児童の描いた絵」という意味です。『広辞苑』を信用するなら、児童画は「児童のえがく画」であり、「児童劇」は児童自身が演ずる劇で坪内逍遙先生が提唱されたそうです。「大人による児童のための・・・・」という場合もあるでしょうが、ここでは「児童による・・・・」という第1の意味で使用しています。
 語意はともかく、「ネパール児童画展」は大成功でした。協力者が学生1人だったので、宣伝は全くしなかったのですが、不思議なもので、どこからともなくネパールにはまっている人たちがやってきて、大いに語り合い、楽しみました。この調子だと、「ネパール協会長崎支部」が出来るかもしれません。


001124 ネパール児童画展
ネパール児童画展、開催中! 小規模ですが、ほのぼのと暖かいネパールの雰囲気が部屋いっぱいにあふれています。ぜひおいでください。

(会場)長崎大学学生会館(地図は下記ホームページをご覧ください)
(日時)11月23日〜25日
(主催)ネパール研究会
    www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/tanigawa/index.html
    www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/tanigawa/npl/art-exhi/art-exhi.htm 


001105 『すばらしい新世界』のすばらしさ?
 池澤夏樹『すばらしい新世界』(中央公論社、2300円)を読んだ。書店で平積みだったし、朝日新聞(10月28日)が文化面で大きなスペースを割き、好意的に紹介していたので、きっとスゴイ小説だろうと期待していた。
 話しは、日本人技術者がNGOの依頼でネパールの奥地ナムリン(ムスタン?)へ小型風力発電機の設置に行き、現地での見聞を通して先進国の近代文明を批判的に相対化していく、というもの。
 しかし、読んでみて、残念ながら私の感想は、朝日新聞「伸」氏の書評とは逆になった。
 まず、長い。600ページもあるが、この内容なら半分でよいのでは?
 次に、ストーリーの展開に劇的面白さ、意外性がない。中間の寺院娼婦の話はリアリティがないし、終わりの部分の埋蔵経をダライ・ラマに運ぶ話しは、まるで取って付けたようだ。
 そうかといって、近代文明批判として新しい何かや深い掘り下げがあるわけでなく、自明のことが延々と繰り返し説教される。(平明な文章だから助かるが。)
 そんな感想を持ったのなら、わざわざここに書かなくてもよいのでは、と批判されそうですが、これは舞台がネパールの大著であり、それはそれなりに興味深い。ネパール好きとしては見逃せない。
 すでにこの本を読まれた方、感想をお聞かせください。私の目が節穴で、この小説の本当の「すばらしさ」が見えないだけかもしれませんから。


000913 「仲良く」では済まないか?
 自由化、民主化が進めば当然だが、ネパールでも日本批判の兆しが見える。たとえば、超豪華カラー隔週刊紙 Nepali Times の最近の森首相訪ネ批判やODA批判は、まだまだ遠慮がちだが、耳が痛い。タイやインドネシアでは近代化のある段階で激しい日本批判が起きた。日ネ関係も、いよいよその段階に入りかけたのだろうか? 大地主のボンボンがカマイヤに「仲良くしましょうネ」といって済むような時代ではなくなりつつあるようだ。
 うれしいような、悲しいような「日ネ友好」の深化――不打不識。


000901  誤解から愛へ。そして9条を世界に
●誤解から愛へ
  無視よりも注目され、誤解、罵倒される方が良い。大いなる誤解から愛も生まれる。
 平和それ自体は平凡退屈極まりないもので、語るにこれほど難しいものはない。「世界平和を!」なんて、日本では空念仏。スパイスで味付けしてはじめて人の目をひく。
  スパイスの加減は難しい。激辛の達人N氏に極意を教えて頂きたいものだ。
●9条を世界に
  日本の平和憲法はネパール(そして多くの国)では悲しくなるほど知られていない。「憲法9条の会」のような運動を拡大し、外圧をかけなければ、内向きの議論でいくら悲憤慷慨していても日本の軍事大国化は阻止できまい。
  日本の平和NGOが森首相に同行し、いやそれは違う、日本国民は安保理入会=軍事大国化を望んでいない、それは憲法違反だ、とインドやネパールで訴えれば、世界中の新聞が報道し、日本理解は一気に進む。その効果は絶大だ。どうして、そんな簡単なことができないのか!
  外交は政府の専権事項ではない。日本国民の真の安全保障のためには、NGO平和外交の展開が必要だと思う。


000828 グルカ兵雇用し核武装せよ!
 ネパールに来て改めて日本がいかに理解されていないかを痛感した。
(1)グルカ兵を雇用せよ
 25日付「カトマンズポスト」は、M,S. Kafle 氏の特別寄稿を森首相歓迎広告とともに大々的に掲載した。この記事の中で、著者カフル氏は日本に対しグルカ兵を雇用すべしとの画期的提案をした。
 グルカ兵はイギリスやインドに雇用され、また国連PKOに参加し、勇猛果敢で忠誠な兵士としての名声を確立した。(ネパール国軍のPKO要員は「グルカ兵」と呼ばれることもある。)
 たしかに、雇用主の日本よりも出身国に忠実なアメリカ兵を雇うよりも、雇用国に忠誠で何倍も勇敢なグルカ兵を雇用する方が、日本の安全にとってはるかに有利だ。(アメリカ兵を解雇し)グルカ兵を雇用せよという提案は画期的であり、非武装安保体制実現までの次善策として本気で検討してもよいくらいだ。いささかでも現実性があるのであれば・・・・
(2)核武装せよ
 ネパールの軍関係者や国際政治学者の中には、日本の安全保障のためには核武装もやむをえないと考える人が少なくない。不屈の抵抗で独立を維持してきたネパール人が、十分な防衛力が無ければ独立を維持出来ないと考えるのは自然だ。たしかに、核武装は日本にとってもっとも合理的で確実で安上がりの防衛策だ。あくまでも力で安全を保障しようとするかぎり・・・・
 ----こうして、グルカ兵を雇用し核武装せよ、という提案になる。荒唐無稽には違いないが、必ずしもそうと言い切れない現実が一部日本にあることも残念ながら否定しきれない。


000828  Mori or mori?
 日本首相のネパール初訪問は、あっけなかった。新聞は訪ネ前々日までほとんど報道せず、訪ネ翌々日にはすっかり忘れてしまった。何の成果があったのだろうか?
 それでも25、26日の新聞は大々的に報道した。しかし論調そのものは、外交辞令を除けば、日本首相が大金をもって安保理入会のための1票を買いに来た、という感じだ。
 安保理事会の拡大は、インドと同時ならネパールに反対する理由はない。しかし、いざインドか日本かの選択となったとき、おそらく日本に1票とはならないだろう。私自身はもともとこれには大反対だから、会う人ごとに、ネパールは日本の安保理入会支持要請に賛成してはダメだと力説した。
 CTBTについては、森首相は早期批准を求めたが、アメリカの核の傘の下にありながら、いくら主張しても説得力はない。むしろ、核独占をねらうアメリカのお先棒かつぎと見られていたようだ。核保有能力の無いネパールにとって、CTBTは南ア核拡散の脅威を抑制するために必要であり、いずれ国益の観点から批准するであろう。その際、日本の要請は批准の口実の一つくらいにはなるかもしれない。
 もちろんブータン難民問題への取り組み、文化交流のための「日本SAARC特別基金」とIT教育のための「森基金」の設立、教育援助、洪水救援金なども提案された。また、カトマンズ・タライ間道路や各地の橋建設、河川改修などの検討も約束された。しかし、そうした提案は、ミエミエの訪ネ意図によってすっかり色褪せてしまった。要するに「経済援助するから安保理入会のための1票を」ということだな、と見透かされてしまったのだ。
 ネパールは取るだけとって実質的には日本にはなにも与えなかったのではないか? バーゲンもせず言い値通り払う客はどこでも歓迎される。日本首相が大歓迎されたのも当然だろう。
 森首相の訪ネ後、ネパール人たちが皮肉な笑みを浮かべ、mori,moriと言っているのを何度か耳にした。ネパール語は「ナマステ」しか分からないが、表情からしてmoriは何かよからぬ意味をもつネパール語に違いない。気が弱い私は、意味を聞きそびれてしまった。ネパール語に詳しい方に、moriと発音するネパール語の意味をぜひ教えていただきたいものだ。


000824  超エコカー&林立パソコン校&超インフレ
(1)超エコカー: カトマンズをぶらぶらしていたら、屋根に山型の太陽電池を載せた超サファ・テンプを見かけた。発電効率は分からないが、実用化されれば、文句無しにカトマンズは世界最先進都市となる。
(2)林立パソコン校: パソコン校の急増は革命的。カトマンズの周辺地でも英語学校以上に目立つ。
 商店にもパソコン導入が進み、レジにいくと、キーボードで商品番号を打ち込み、プリンターでレシートを打ち出し、清算してくれる。汎用機パソコンの本領発揮だ。
 ネパールはインドと同じ教育スタイルだから、パソコンはネパール人のメンタリティーに合っているのかもしれない。この熱狂が続けば、カトマンズのシリコンバレー化も夢ではない。
(3)超インフレ: 一方、インフレはすさまじい。現在の交換レートは \10=Rs6.44。
行き付けの喫茶店「パンパーニッケル」では、紅茶=15、コーヒー=25、パン=20〜25ルピー。

 下町の食堂から失敬してきたメニューによると:
   スープ=30  オレンジジュース=50  バターマサラドーサ=60
   野菜焼き飯=40  プレーンナン=10
 タメルでの夕食代は日本の1/3〜1/2といったところ。物価高のため、カトマンズでの長期滞在は苦しくなってきた。


000820 快走サファテンプ&マイナリ氏釈放要求
(1)快走サファテンプ
  カトマンズに来て驚いたのは、空気が良くなった事。昨年まで排ガスで息苦しかったのに、今では初秋の高原のような涼風が心地よい(少し誉めすぎか?)。
  最大の貢献は町中を快走するサファテンプだろう。台数、運行コスト、耐用年数等は調べていないが、採算が合えば、カトマンズは一躍世界最先進都市になる可能性がある。 他の車の排ガスも格段に改善された。規制の成果か、経済合理性によるものかは分からないが、モクモク煙を出す2サイクル車やディーゼル車は少なくなった。いずれ「避暑はカトマンズへ!」となることを期待している。
(2)マイナリ氏釈放要求声明
  19日、ある集会で「マイナリ氏即時釈放要求声明」を配布し、趣旨を説明した。20日付の「カトマンズポスト」がコメント抜きで声明を紹介していますので、インターネット版でご覧ください。


000818  署名用紙あります
 英語版の声明文と署名協力依頼、日本語版の署名用紙をネパールに持ってきました。明日、ある集会で署名を集めようと思っています。
  月末までタメルのホテルに滞在しますので、署名活動にご協力いただける場合は、私のメールアドレスに連絡先をお知らせ下さい。


000817  大繁盛!KTMのインターネット
  先ほどネパールにつき、早速インターネット屋でメールをチェック。初めての経験だが、何の問題もなく、従来のアドレス宛てのメールを読むことができました。信じられない!
 日本にいるのと全然変わらない。物価の安いこちらに移住して仕事をしようかな。
  インターネット屋は、おかげで大繁盛。1分1ルピーでも、かなり儲かっている様子。
  面白い話があれば、またご報告します。(文字バケになるかもしれません。その際は、ナマステボードでお知らせ下さい。)


000729  快走するか、サファ・テンプー
 国産電気軽自動車サファ・テンプーは、予想外に健闘している。当初はかなり懐疑的だったが、旧勢力の様々な妨害にも係わらず、今のところ順調なようだ。
 たしかにカトマンズは電気自動車に適している。市域がそれほど広くなく、電気も普及している。水力発電で安価な電力が安定的に得られれば、電池の問題はあるだろうが、石油よりも合理的だ。
 サファ・テンプーで、カトマンズは一気に近代を超克し、未来都市に変貌するのだろうか?16日からカトマンズに行きますので、実態を見てきて報告します。


000725  カマイヤから車まで
 野崎さんのカマイヤ情報は興味深い。借金奴隷制、あるいはネパール型農奴制がまだこんなに大規模に残っているのですね。新聞によると、この解放令はチャンドラ・シャムシェル首相による80年前の奴隷解放令の具体化とのこと! 違反者は3〜10年の投獄だというが、今度は大丈夫でしょうね。
 一方、ネパールは今や自動車生産国。エンジンは中国製だが、月産10台。ネパール・デザインの「シェルパ」号が1.8トンもの荷を積み悪路を走破したとき、愛国者は感涙にむせび、あらそって国産車を求めたそうだ。
 カマイヤから車まで――ネパールはますますミニ・インド化してきた。


000628  マイナリ氏再勾留決定に抗議しよう!
●最高裁決定の不当性
 最高裁は6月28日、無罪判決を受けたマイナリ氏に対する憲法違反の検察控訴を容認し、国際人権法、憲法、刑事訴訟法に違反する被告再勾留を追認した。自ら「権力の番人」と化した最高裁は、潔く「最低裁」と改称すべきだろう。
●ネパール協会の抗議声明
 マイナリ氏再勾留に対するネパール協会の抗議声明は、友人の一人としてのマイナリ氏の人権回復を求めるものであり、そこには日ネ両国民の真の友好を願う協会の真摯な願いが込められている。
 この協会抗議声明に賛同される方は、HPの抗議文をコピーし、友人、知人や内外の各機関に配布して欲しい。英文版は Kathmandu Post や Rising Nepal、欧米の有力紙、人権NGOなどに配布すると効果的である。
 グローバリゼーションの今日、人権は世界市民のものとなり、人権を支える世界世論もインターネットにより私たち一人一人が直接形成できる可能性が出てきた。普遍的人権を無視し国境にしがみつく国家の時代錯誤を、私たち自身のちょっとした努力で改めさせることが出来るかもしれない。マイナリ氏即時釈放のための世界世論への訴えも、やってみる価値は十分にあると思う。


000622  マイナリ氏の即時釈放を!
●無罪判決を受けた「東電OL殺人事件」被告ゴビンダ・マイナリ氏の即時釈放を求める。
 東京地裁で無罪判決を受けたマイナリ氏に対する検察控訴は憲法違反であり、検察は直ちに控訴を取り下げ、マイナリ氏を釈放すべきだ。かりに検察控訴を認めるとしても、無罪判決後の勾留は国際人権法、憲法、刑事訴訟法に違反しており、法治国においてはとうてい許されない暴挙だ。
 マイナリ氏が真犯人か否かは私には判らないが、ここではそれは問題ではない。たとえ仮に検察のいうように真犯人だったとしても、法の認めないことを国家は為すべきではない。
 マイナリ氏は即時釈放されるべきだ。マイナリ氏の人権のために、そして可能的被疑者としての私たち自身の安全のために! 


000427 ムスムス?!

●ネパール展のお知らせ
 ネパール好きの仲間が、楽しいネパールの集いを開催! 写真展、ネパールダンス、雑貨販売、サリー試着、ネパールカレー・・・・その他諸々。

連休のど真ん中、5月4−5日、上野です。是非おいで下さい。

■詳しくは→→

http://www.edu.nagasaki-u.ac.jp/private/tanigawa/musmus/musmus.htm


000328 Swoyambhu in Yamagata

山形にスワヤンブがあります!
 『ネパールの家庭料理・スワヤンブ』
   山形市相生町8−10
   Tel. 090-1736-1391
               Laxmi S. Manandhar

       |

       |【スワヤンブ】

       |

    −−−−−−−−−−−−−−−−山形駅−−−

   川越病院|                 

       |

本格的なネパール料理で味も良い。是非おいで下さい。


000226 急発展、ネパールHP
 久し振りに nepalnews.com のページを見たら、その充実ぶりに驚いた。インターネット世論調査「バッタライ、コイララ両長老は引退し若手に道を譲るべきか」をやっていたので、さっそく一票を投じた。これが何らかの意味を持つとすれば(たぶん持つであろう)、これからは日本にいてネパール政治に参加できることになる。善し悪しは別にして、そういう時代になってしまった。
 また、チャットルームも開設されていて、いろんな人がしゃべりまくっていた。今回は盗み見だけだが、次からは参加し、大いに議論してみようと思う。ネパールにもきっとNさんのように怖い論客がいて、さんざん叱られることになりそうだが、怒り怒られ、理解が進めばよいと思っている。
 以上、すでにご存じのことかもしれませんが、ご参考までに。


000218  Re: 必要悪としての教育援助
 学校建設援助は適切なものもあれば不適切なものもあり、一般論で善悪を論じることは出来ないでしょうが、せっかくの機会なので、乱暴を承知の上で、傍観者に近い立場から最近感じていることを述べてみます。(的外れであれば、実務に疎い傍観者の戯れ言として笑殺してください。)
 ネパール(および他の途上国)への教育援助は、本質的には、「よけいなお世話」であり、それ自体は悪だと思います。それぞれ独自の文化と生活をもつ社会によそ者がやってきて、目もくらむような富を見せつけ、独善的に異文化を押しつけ、強制的「同化」施設としての学校を建設する。そして、子供たちをこの学校に収容し、ネパール語や英語、ときには日本語さえも教え込み、もはや伝統的民族文化の中では生きられない異質な人間に教化していく。若者たちは、教育が成功すればするほど故郷に入れられず、遠くへと逃げ出さざるを得ない。まずカトマンズへ、そしてアメリカ、日本へ。逆に言えば、明治期の日本がそうであったように、安くて良質の人材を得るため都市部は地方を教育し、日本は途上国を教育する。教育援助活動は、この都市部と先進国の陰謀の一端を知らず知らずのうちに担わされている場合が少なくない。教育援助は、援助する側(都市や先進国)から見れば有益であり善、援助される側からすれば自分たちの生活とアイデンティティを破壊する悪、ということになる。
 ネパールに対する学校建設援助は、その意味で、悪である。しかし、悪であっても為さざるを得ない悪もある。先進国も都市部も、途上国や周縁部を犠牲にして利益を得ることをやめられない。私は、この快適な生活をあきらめられない。とするならば、せめてもの罪滅ぼしに、奪い取った利益の一部を援助という形で返却し、許しを請わねばならない。ネパールは教育援助を要求する当然の権利があり、日本には援助する義務がある。ネパールは援助を受けても感謝する必要は一切ない。むしろ、日本は教育援助という贖罪の機会を与えられたことを深く感謝すべきである。
 しかし、外国の教育援助は、それ自体が悪だから、より以上の悪を防止することを目的とすべきである。必要悪としての教育援助である。私たちは、直接的あるいは間接的に、ネパールを近代世界の中に引き込んだ。引き込んでしまった以上、近代社会の中で生き、勝ち抜く術を伝授しなければならない。抵抗の武器としての知識――教育援助をする側と闘い、これを打倒するための知識である。
 援助側にとって、これはなかなか難しく微妙な課題だ。識字能力や数理能力numeracy)は、カトマンズや日本に対する有力な抵抗手段になるが、同時に、後者にとっても利用価値の高いものである。教育援助は、搾取防止をめざしたはずが、結果的には搾取加担になる危険性がある。このジレンマをどう切り抜けるか? いや、そのジレンマを克服し、本当に抵抗者側に立つ勇気があるのかどうか?
 残念ながら、途上国の犠牲の上に安楽な生活をしている私には、その勇気はない。かといって、自己の存在の悪に開き直る勇気もない。出来ることはおそらく、ウジウジと罪をわびつつ、自己の加担している悪がより以上大きくならないことを願い、こわごわと必要悪としての教育援助をするくらいのことであろう。それ自体は毒だと知りつつも、病気に感染させてしまった者が、必要悪としての薬を病人に与えるように・・・・。


000215  ポカラ山岳博物館
 雑誌 The Independent(Feb.9)にポカラ山岳博物館建設の記事が出ています。SANPAKU が17万5千ドルもの寄付をしたことが紹介され、その構成メンバーの一つとして「Nippon Nepal Society」の名が出ています。
 この「Nippon Nepal Society」というのは、わが日本ネパール協会のことですか? それとも別の団体でしょうか? ご存じでしたら、お教え下さい。


000110  ハイジャックとのニアミス
 お正月は、ネパールの寒村で1週間ほどボケ〜としていました。ヒマラヤの高峰を背景に菜の花が満開で、ユートピアかシャングリラか、はたまた桃源郷(桃の花も咲いていた)か、と思うほど、のんびりした美しい平和な村でした。
 それはよかったのですが、到着便(SQ)がハイジャック機離陸の数時間前で、犯人とのニアミスの可能性が高く、場合によってはこちらが人質になっていたかもしれないと思うと、ぞっとしました。
 また、ハイジャックの影響で、空港のチェックが恐ろしく厳しくなり、たいていの荷物は開かれ細かく調べられました。搭乗直前に、もう一度チェックがあり、ここでは機内持ち込み荷物の検査とボディ・チェックがあります。財布の中身まで調べる徹底したものでしたが、なぜか女性客へのボディ・チェックはなく、ネパール文化における女性尊重精神の高さにいたく感動しました。女神のごとき女性がハイジャックをするはずがない!
 というわけで、当分は搭乗までに相当時間がかかりますので、早めに空港に行かれることをお勧めします。