(授業科目名)アジア文化論 Asian Culture Studies

(担当教員名)谷川昌幸

(授業形態)講義  (単位数)   (必修選択の別)

(学期)前期 (曜日)火曜日 (校時)5時限 (対象学生)

(授業のねらい・計画)

 ネパールの政治文化について講義する。

 ネパールは南アジアの小王国だが、自然と文化は驚くほど多様だ。小さな国土に高温多湿のタライ低地から極寒のエベレストまで擁し、約2千万の国民は30以上もの民族から構成されている。

 政治文化も多様だ。都市部は近代化し、テレビや新聞では政治や憲法がさかんに議論されている。ところが農村部は近代文明とは無縁であり、辺境にはいまだ隷農さえ残っているという。まさに多種多様な政治の見本市だ。おまけに国が小さいので万事こじんまりし、間近で子細に観察できる。この国では封建制と資本主義、農村と都市、伝統的支配と民主主義が、言い換えるなら中世と近代と現代がヒマラヤの高峰のように鋭く対峙している。これは世界的にも希有な事例だ。私たちは、この実験室のような小王国の政治文化から私たち自身の問題を考えるヒントを見つけだせるかもしれない。

 授業では、新聞、雑誌のほかにビデオ、スライドなども使用し、ネパールの政治文化だけでなく、そこに住む人々の興味深い生活や美しい自然についても最大限紹介していく。

 

(成績評価の方法)

期末試験と授業中の小レポートにより評価。

 

(テキスト・教材・参考書等)

プリント資料を配付。

(受講生への要望事項)

南アジア現代政治の理解は容易ではないが、異文化との格闘を通して自文化を問い直すきっかけとしてほしい。