別姓で取ろう パスポート

教員  谷川 昌幸

   (長崎市 54歳)

 夫婦別姓パスポートを取得した。結婚改姓後、戸籍名パスポートを使用してきたが、国際化とともに不便さがつのり、通称名表記に切り替えた。

 別姓パスポートは、正式の制度であり、取得手続きは簡単だ。通称名使用の事実を示す資料と、別姓パスポートの必要性を述べた事情説明書を添えて申請すれば、一週間ほどで発行される。

 [私の場合、長崎では前例がなかったのか、窓口で少し混乱したが、担当の女性職員は事情をよく理解され、外務省に問い合わせるなど、手続きをてきぱきと公正に進めて下さった。この対応には感謝しているが、]別姓パスポートの説明が明示されていなかったのは、残念だ。おそらく外務省が消極的で、一般には公示せず、強く要求されてはじめて応じるという方針を取っているからだろう。

 しかし、他の官庁と比べると、外務省は外国事情に詳しく、夫婦同一姓強制が国際社会ではもはや無理と気づき、パスポートでは世界基準に合わせ、夫婦別姓を正式に採用している。外務省は夫婦別姓へ向けて開かれた現代の「出島」だ。

 夫婦別姓法案が通らないため困っている全国の皆さん、「出島」で別姓パスポートを取得し、日本を夫婦別姓へ向けて開国しようではありませんか。
    (朝日新聞、2001年5月17日、[]内は新聞では略)


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