昨年秋以来、不安視されていたデウバ内閣が、3月6日信任案(103票以上
で可決)を賛成101、反対92、棄権11で否決され、辞任した。NSPシン党
首とコングレス党2議員の欠席が致命的であった。
新首相は最高裁判例(95年8月)により現議会から選出されるため、デウ
バ首相辞任後、アディカリ( UMLネパール派)、チャンド(UMLゴータム派+RPP
チャンド派)、G・P・コイララ(NC+RPPタパ派)、パウダル議長(NC反コ
イララ派)などいく人かが取り沙汰されたが、結局、RPPのチャンドが3月10
日国王により首相に任命され、12日には次の8名からなる新内閣が成立した。
首相 Lokendra Bahadur Chand (RPP)〔兼任=王室、国防〕/副首相 Bamdev Gautam
(UML)〔兼任=内務、産業、人口・環境、運輸、観光・民間航空、青少年、ス
ポーツ・文化、教育、労働、議会担当、情報、総務。内務大臣以外は順次UML議
員に配分〕/大蔵大臣 Rabindra Nath Sharma〔兼任=建設、農業、水資源、外
務、土地問題、商業。大蔵大臣以外は順次RPP議員に配分〕/森林・土壌保全大
臣Sahana Pradhan(UML)/厚生大臣 Radha Krishna Mainali(U ML)/地域開発大
臣 Amrit Bohara(UML)/供給大臣兼科学技術大臣 Gajendra Narayan Singh(NSP)
/法務大臣兼女性・社会福祉大臣 Rameshwar Raya Yadav( NSJD) 新内閣の
首相、副首相以外のポストは、UML14、R PP6、NSP1、NSJD1の予定であり、
新内閣は明らかに UML――正確にはゴータム派――主導となる。いずれにせよ、
チャンド支持はUML90、NPP10、NSP2、NWP P1の計103議員であり、しか
もUML =RPPという不自然な連立である。政権の安定は至難と見ざるを得ない。
(谷川昌幸) 〔ネパール協会・会報、141〕